今月の臨床 胎盤—母児接点としての役割
疾患と胎盤
19.癒着胎盤
吉沢 浩志
1
1新潟大学医療技術短期大学部看護学科
pp.1006-1007
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901850
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子宮—胎盤間接合部位は胎盤基底板と基底脱落膜で構成され,母体面表層の基底脱落膜は子宮内膜緻密層に由来する組織で,正常胎盤は子宮内膜海綿層で剥離して娩出される.
癒着胎盤(placenta accreta)はまれな異常ではあるが,何らかの原因によって脱落膜形成が欠如した子宮壁に妊卵が着床発育し,胎盤の一部または全部が子宮壁に癒着して胎盤の剥離が困難となり,分娩第3期に大量出血をみたり,その一部では子宮摘出術も行わざるを得なくなる臨床上重要な疾患である.
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