今月の臨床 早期癌—診療ストラテジー
子宮頸癌
診断
6.組織診—CISと浸潤癌の鑑別
恩田 貴志
1
,
吉川 裕之
1
,
武谷 雄二
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.734-735
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901767
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子宮頸癌の国際臨床進行期分類(FIGO)は,1929年に初めて設定され,1961年の改正で0期は上皮内癌(CIS)と定義されるとともに,I期の細分類(Ia, Ib)が行われ,1970年の改正および1973年の一部修正により,Ia期は組織学的に微小浸潤癌(初期間質内浸潤)が確認されたもの,と定義された.1985年にはIa期をさらに細分類する改正も行われたが,日本産科婦人科学会では,診断基準が不明確で,分類が複雑という理由でこの分類を採用しておらず,1973年の分類が用いられている1).
臨床的に,CISとIa期を確実に鑑別することは必ずしも容易ではない.治療法も従来に比して差が縮小傾向にあり,その鑑別の重要性は薄れつつある.しかし,Ia期では低率ながらリンパ節転移が見られることを考えると,的確な術前診断を行い,治療に臨む必要がある.ここでは,組織診の立場から早期癌(扁平上皮癌)の鑑別について解説する.
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