今月の臨床 不妊症はどこまで治せるか
ARTの問題点
25.ARTとco-culture
山辺 晋吾
1
1神戸大学医学部産婦人科
pp.198-200
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901621
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最近のARTの進歩は多くの不妊夫婦に朗報をもたらしつつある.しかし,ARTを医療として行うかぎり,その施行者は,技術の改良あるいは改善するべき点を把握し,実際の臨床面に確実に反映させる不断の努力を怠ってはならない.ART施行において配偶子あるいは胚の質を向上させようとする工夫はその施設の成績を左右するばかりでなく,流産率を低下させるという点においても,また,出生児に対する責任という点においても重要なことである.そして,co-cultureは配偶子あるいは胚の質の向上のためのひとつの手段として位置づけられる。たとえば未成熟卵の前培養や精子の活性化など配偶子の質の向上を目的としたco-cultureも多く報告されているが,本稿ではとくにヒト体外受精における初期胚のco-cultureの方法,意義につき検討したい.
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