症例
子宮転移をきたした膀胱憩室腫瘍
日高 隆雄
1
,
塩崎 有宏
1
,
伏木 弘
1
,
泉 陸一
1
,
藤村 正樹
1
Takao Hidaka
1
1富山医科薬科大学産婦人科
pp.1375-1379
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901528
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骨盤内腫瘍のうち膀胱憩室腫瘍は,尿路症状の出現が遅く,また,まれな疾患である。われわれ婦人科医にとっても,卵巣腫瘍と誤診しがちな疾患といえる。今回われわれは,下腹部腫瘤および子宮後壁腫瘤を認め,術前診断に苦慮し,開腹術を施行した,その結果は,膀胱憩室に発生した扁平上皮癌およびその子宮後壁転移であった。膀胱憩室腫瘍の術前診断は困難であることが多く,婦人科疾患では,卵巣腫瘍との鑑別が重要である。膀胱に近接した腫瘍を認めた場合は,つねに膀胱憩室腫瘍も念頭におく必要があると思われた。
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