今月の臨床 治療にてこずる感染症
エイズ
5.HIVのウイルス学
大城 由香子
1
,
山本 直樹
1
Yukako Ohshiro
1
,
Naoki Yamamoto
1
1東京医科歯科大学医学部微生物
pp.1047-1049
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901430
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AIDS(acquired immunodeficiency syndrome)は1981年に初めて報告されて以来,爆発的に患者数を増やし続けており,WHOの報告によると1991年までに418,404人に上っている。さらに今世紀末までには1,400,000人に達すると予測されている。この疾患の蔓延の背景には原因ウイルスであるHIV(Human immunodeficiency virus)1)が,主として性交渉によって感染することがある。それに加えて,HIV感染者の母親から子への周産期感染,すなわち経胎盤感染,出産時の産道での感染,母乳からの感染も重要な問題となっている。そこで本稿では,HIVの分類,構造,遺伝子,複製,不活化方法について簡単に紹介し,エイズ蔓延の危機に対する対策について考えてみた。
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