今月の主題 免疫不全とAIDS
AIDS
Human immunodeficiency virus(HIV)のウイルス学
原田 信志
1
1京都大学・ウイルス研究所
pp.2724-2726
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221440
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1981年,突如として発生したAIDS(後天性免疫不全症候群)は,当時,男性同性愛者の間に広まった奇病の観があった1).しかし今では,このAIDSはウイルス感染症であることが明確となり2),AIDS自体も特殊なグループの枠を超えて広がりつつある.このように,AIDSそのものは,基本的には,血液および性交渉を介して伝播していく伝染性疾患である.しかし,その死亡率の高さ,治療法の無さから,AIDSは米国やヨーロッパのみならず全世界の社会的,医学的最重要課題となっている.
AIDSを理解するためには,この病気の原因ウイルスであるヒト免疫不全ウイルスhumanimmunodeficiency virus(HIV)の知識が必要である.本稿では,HIVのウイルス学的かつ一般的特徴を述べ,AIDSの一端を窺ってみたい.
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