今月の臨床 外陰の診かた
先天異常
7.精巣性女性化症
鈴木 秋悦
1
,
稲垣 昇
1
,
小関 みづほ
1
,
木村 裕幸
1
,
南郷 周児
1
Shuetsu Suzuki
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科
pp.705-707
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901327
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性の分化は,性染色体によって遺伝的性が誘導され,次いで,性の身体的な特徴が決定され,性腺の性に発展していく。しかし,この過程に何らかの異常が加わると,性の分化の方向に異常を生じてくる。すなわち,その異常をきたす誘因として,環境因子,発達障害因子,遺伝子の突然変異,染色体異常などが上げられる。
これらの性の分化異常の確定診断は,もちろん,生後,可及的早期になされることが肝要である。その際,とくに生下時の外性器の形態の観察が重要なポイントとなる。しかし,外性器の形にまどわされて,思春期に至るまで,その確定診断が遅れることも少なくない。また,外性器が男性とも女性とも鑑別し難い,いわゆる不明瞭(am—biguous)な外性器の症例も多く,診断は必ずしも容易ではない。
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