症例
外陰Angiomyofibroblastomaの1例
山田 新尚
1
,
村瀬 紗姫
1
,
上田 陽子
1
,
山本 志緒理
1
,
石川 梨佳
1
,
田上 慶子
1
,
桑原 和男
1
,
佐藤 泰昌
1
,
横山 康宏
1
,
岩田 仁
2
,
高井 紀子
3
1岐阜県総合医療センター産婦人科
2岐阜県総合医療センター病理センター
3岐阜大学医学部産科婦人科
pp.595-598
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103806
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要約
血管筋線維芽細胞腫(angiomyofibroblastoma)は主に女性の外陰部に発生する比較的稀な間葉系腫瘍である.今回われわれは外陰部の巨大腫瘤を摘出,病理学的検査の結果,血管筋線維芽細胞腫と診断された1例を経験した.症例は53歳0経妊0経産,未婚.15年前に左外陰部腫瘤が出現し,近医でバルトリン囊胞と診断されていた.腫瘤感以外の自覚症状がないため,放置していた.その後次第に腫瘤は増大し,日常生活に支障をきたすようになったため,紹介にて当院を初診.左外陰部皮下に10 cm×7 cm大,無痛性,表面平滑,弾性軟,比較的可動性良好の充実性腫瘤を認めた.MRI所見はT1強調像で低信号,T2強調像では不均一な信号(低信号と高信号が混在)を示し,ガドリニウム造影T1強調像で強い造影増強効果を認めた.全身麻酔下左外陰腫瘍摘出術を施行.腫瘍の周囲組織への浸潤所見はなく,境界は明瞭であり,腫瘍直上の皮膚とともに摘出した.術中出血量は800 mLと予想以上であり,想定以上の大量出血も考慮し手術に臨むべきと考える.術後4年以上経過しているが,再発徴候は認めていない.
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