今月の臨床 産科外来検診マニュアル
産褥期
55.不正出血
又吉 國雄
1
Kunio Matayoshi
1
1東京医科大学霞ケ浦病院産婦人科
pp.626-628
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901310
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産褥期の不正出血は,分娩後24時間以内に認められる早期産褥出血early postpartum hemor—rhageと,分娩後24時間を経て発症する晩期産褥出血late postpartum hemorrhage(第二次産褥期出血secondary postpartum hemorrhage)に分けられる1)。
前者の代表的な疾患として弛緩出血,産道損傷,粘膜下子宮筋腫,子宮内反症,母体の低線維素原血症などがあげられる。一方,後者は,胎盤片の残存や卵膜の遺残などが最も大きな原因とされる。本稿では,その晩期産褥出血について述べるが,産褥1週間以内の比較的早期の出血については,そのほとんどが入院中に処置されるところから,主として,退院後に認められる産褥出血について,その原因,検査法などについて論述したい。
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