今月の臨床 良性卵巣腫瘍—治療方針
手術
手術手技のコツ
21.楔状切除術
斎藤 馨
1
Kaoru Saito
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科
pp.298-300
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901215
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適応
卵巣楔状切除術は言うまでもなく不妊婦人に行われるもので,他の排卵誘発法で効果のなかった多嚢胞性卵巣(PCO)が適応となる。われわれは他に不妊要因がなく以下の基準を満たすものを適応としている。①第1度無月経,②クロミフェン,ブロモクリプチン,hMG,hCGなどの薬物療法が無効,③卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の既往があり,④LH-RH testでLHの過剰反応(FSHは正常反応),⑤血中テストステロン,アンドロステンジオンが異常高値,⑥経腟超音波にて複数の卵巣被膜下閉鎖卵胞が認められる。
本手術により術後80%前後の排卵率と約50%の妊娠率が期待される。ただしLH-RH testでLH前値が低値のものや硬化嚢胞型のものに対する手術効果はあまり期待できない。
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