症例
出生前診断した先天性骨形成不全症の2例
釜付 弘志
1
,
伊藤 誠
1
,
宮城 美香子
1
,
石川 洋
1
,
後藤 真千子
1
,
字田 典弘
1
,
保條 朝郎
1
,
山田 祥子
2
,
藤掛 守彦
2
Hiroshi Kamatsuki
1
,
Sachiko Yamada
2
1聖霊病院産婦人科
2聖霊病院小児科
pp.110-114
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901167
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今回我々は出生前にB-scopeなどにより診断した先天性骨形成不全症を2例経験したので文献的考察を加え報告する。
〔症例1〕 28歳2妊0産。妊娠30週検診時,B-scopeにて児の大横径の拡大と大腿骨の不明瞭な像が認められ,単純X-Pでは胎児の骨陰影が認めがたく,先天性骨形成不全を強く疑い,入院精査を勧めたが,それ以降受診しなかった。
〔症例2〕28歳1妊1産。妊娠25週検診時にB-scopeにより,児の大腿骨の菲薄と短縮を認め,その後,頭部の脳回の明瞭化も認めた。妊娠35週に入院。羊水胎児造影等施行して頭蓋の菲薄と増大,右下肢の変形を認めた。妊娠37週0日,分娩誘導。2,094g,Apgar2点で女児を出産した。この児はSillence分類の2型に相当し,予後不良とされているが,NICUと家族の努力によって現在も自然呼吸で生存中である。
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