Current Clinic
高単位抗癌剤療法と骨髄移植
篠塚 孝男
1
Takao Shinozuka
1
1東海大学医学部産婦人科
pp.1373-1380
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901084
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はじめに
現在抗癌剤として一般に使用されているもののほとんどは,癌細胞に対する抗癌活性と同時に,宿主に対する障害ともいうべき種々の副作用も同時に合わせ持っている。この副作用は,投与する抗癌剤を増量すればするほど多臓器,多方面にわたって出現し,その程度も強く現れる。一方,癌の治療において,その癌細胞に感受性のある抗癌剤を使用すれば,投与する抗癌剤の増量とそれにより死滅する癌細胞数との間は対数的相関関係にあると言われている。投与する抗癌剤のdose-upを計ることによりその治療効果を上げながら,それにより誘発される副作用を軽減する手段として以前より種々の薬剤が使用され,種々の方法が行われてきた。ここではその一方法として,癌化学療法における種々の副作用のうち,投与する抗癌剤の量を制限する因子,いわゆるdose-limitingfactorとしては第一番にあげられている骨髄機能障害に対し,化学療法剤のdose-upをはかりながら,なおかつそれを克服する手段として現在私たちが行っている骨髄移植について述べてみる。
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