今月の臨床 思春期診療
思春期と性
23.エイズ教育
佐藤 恒治
1
Tsuneharu Sato
1
1総合高津中央病院
pp.1352-1354
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901078
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厚生省のエイズサーベイランス委員会の1992(平成4年5月)の報告によると初めて国内で患者が確認された1985(昭和60)年以降1992年4月末までの累積患者・感染者数は血液凝固因子製剤が原因のケースを除き695人(うち患者149人)であるが昨年は1年間で238人に達し前年の97人を大きく上回った。昨年は異性間性的接触が123人で同性愛38人を大きく引き離した。しかしこれらの感染者の数字は実際に症状が出たというよりも自主的な抗体検査による陽性者で潜在的な感染者数は届出数をはるかに上回るといわれる。しかし国内で見つかったエイズ感染者の中に学生かどうか不明だが風俗関係者ではないハイティーンの日本人女性が1名含まれており異性間の性的接触で感染したという裾野の広さを窺わせる。今やHIV(Human Immunodeficiency Virusヒト免疫不全ウイルス)感染はこれまで信じられてきたようにわれわれ一般人には関係のない同性愛者に特有な病気ではなく異性間の性的感染症として増えていくものと思われる。
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