今月の臨床 分娩前後の1週間
新生児
30.新生児蘇生法
鈴木 重澄
1
,
戸苅 創
1
Shigesumi Suzuki
1
,
Hajime Togari
1
1名古屋市立大学医学部小児科
pp.592-594
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900862
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新生児蘇生法は子宮外環境への児の適応を助けることにあり,出生直後の適切な処置で異常なく,もしくは,異常があってもかなりの病態を軽減できる。また,新生児仮死に対する処置法としての蘇生法は仮死の成因(原因),発症時期により,また,重症度により異なる。新生児仮死発症原因は母体側要因,胎児側要因,胎盤要因および分娩・出産時要因に分けられ,妊娠中の母児の経過を把握することは大切であり,予防もしくは予想される事態に十分な準備で待機ができる。さらに仮死の重症度評価にアプガースコアが用いられているが,その時点の評価でありそれ以上の情報は得られず,周産期の児の状態(状況)把握が重要である。
蘇生は主として中枢神経系保護のため行う処置と言えるが,不適切,不必要な操作,薬品使用による新しい病態(医原疾患)に陥らせないことを肝に銘ずるべきである。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.