今月の臨床 分娩前後の1週間
介助者へのアドバイス
28.扁平・陥没乳頭を持つ人に対する援助
松本 邦子
1
Kuniko Matsumoto
1
1前川マタニテイクリニック
pp.588-589
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900860
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扁平乳頭は,先天的に発育不全があり,乳輪,乳頸,乳頭頂がほぼ同一平面上に位置するものと,後天性のものとして,乳房うっ積乳輪下の炎症,稀に腫瘍や外傷によるものがある。先天的な扁平乳頭に対しては妊娠中からの乳頭・乳輪部マッサージが有効である。先天的なもの後天的なもの両方にいえることだが,乳首の捕獲に必要な伸展性の悪い,うっ積・浮腫のみられる時期(乳頭・乳輪部の長さが2.0cm以下)は直母禁とし,マッサージの励行,搾乳にて状態の改善をはかり柔軟化伸展性が出てくれば直母可能となるので,あせらず先飲みによる内出血などトラブルを予防することが必要である。
注・直母の際,児が乳首を捕獲した長さを想定し,I〜III指でつまみ,乳輪部から乳頭頂までの長さを,乳首の伸展度とする(図1参照)。一応正常範囲は2.5〜3.5cmとし,2cm以下は捕獲不可能として直母禁。3.5cm以上は伸展過多とし乳輪部まで深くくわえ込ませる指導が必要である。
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