原著
高感度妊娠診断試薬を用いた腹腔内出血の治療方針
村尾 寛
1
,
金城 国仁
1
,
上村 哲
1
,
宮川 桂子
1
,
高橋 慶行
1
,
橋口 幹夫
1
,
宮城 源
1
,
稲福 恭雄
1
Hiroshi Murao
1
1沖縄県立中部病院産婦人科
pp.370-373
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900793
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従来,腹腔内出血の救急診療においては,検査時間の制約と感度の問題から,妊娠反応を活用することは困難であった。しかし近年,高感度・短時間判定の試薬が登場したため,方針の再険討が必要となった。我々は,過去4年4か月間に急性腹症を主訴として当院救命救急センターを受診した腹腔内出血患者160人を対象とし,テストパック(ダイナボット社)の判定結果を調査した。
子宮外妊娠108例は全例妊娠反応陽性であった。黄体性卵巣出血52例では,早期正常妊娠に合併した症例4例が陽性を示した。
子宮外妊娠が全例妊娠反応陽性を示すことは,逆に腹腟内出血があっても妊妨反応が陰性ならば,子宮外妊娠の可能性を除外してよいことになり,従来の診療方針を大きく変更することにつながる。我々は上記の成績と考察に基づき,新しい診療方針を定めた。
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