今月の臨床 胎児治療—どこまで可能か
治療効果のモニタリング
22.胎動
住本 和博
1
,
寺尾 俊彦
1
Kazuhiro Sumimoto
1
,
Toshihiko Terao
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.330-331
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900784
- 有料閲覧
- 文献概要
われわれの胎動管理法
胎動は,1973年にSadovskyが脂児管理に有用であると報告して以来,Manningのbiophysicalprofile scoreのパラメータの一つとしても用いられている。胎動には他覚的なものもあるが,われわれは妊婦自身が毎日測定できる自覚胎動を測定対象としている。この代表的な測定法として,測定時間を一定にしたfixed time法や,測定回数を一定にしたカウント10法がある。われわれは,偽陽性率の少ないカウント10法を用い,妊婦自身にも胎動数変化を把握しやすくするため,グラフィック化した胎動表を用いている。妊婦にrolling,kickingなど大きな動きを胎動としてカウントするように指導し,毎朝9時から自覚胎動を数え始め,10回の胎動を数え終えた時刻を黒く塗り潰す。また,午後9時までに胎動数が10回に満たない場合はその回数を記入する。自覚胎動は,客観性に欠け,Bスコープなどによる他覚的胎動に比べると認知される胎動数に個人差が生じる。しかし,妊娠期間中を通じて,妊婦自身が胎動自覚の感受性閾値が大きく変動することは少なく,あくまでも胎動数の相対的な経日変化を捕らえることに意義があると考えた。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.