今月の臨床 胎児治療—どこまで可能か
内科的治療—胎盤通過性と薬効
3.酸素
池田 智明
1
,
池ノ上 克
1
Tomoaki Ikeda
1
,
Tsuyomu Ikenouc
1
1宮崎医科大学産婦人科学教室
pp.269-271
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900765
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胎児低酸素症の治療としての経母体的酸素療法は1931年にWatersとHarrisが分娩時の胎児徐脈が,母体に酸素を吸入させると改善したと報告したことに始まる。それ以後,母体への酸素投与は比較的安易に行われてきたきらいがあるが,成人の低酸素症への酸素投与と異なる側面も多く,胎児への経母体的酸素投与の止確な知識が必要である。母体へ投与された酸素は胎盤でガス交換され,胎児へ移行するが,ここでは,O2の胎盤通過性の問題さらには胎児低酸素症への応用について述べてみたい。
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