今月の臨床 胎児治療—どこまで可能か
内科的治療—胎盤通過性と薬効
4.抗生物質
岡崎 武志
1
Takeshi Okazaki
1
1和歌山県立医科大学附属病院記北分院
pp.272-274
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900766
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本稿では,抗生剤投与の頻度が高いが,厳密な投与の適応が困難な疾患である,preterm laborに限定して考察を進めたい。
周産期の児死亡や障害児出生の主な原因となる未熟児の分娩は,令分娩の5〜8%にも達し,強力で速効性のあるtocolyticsの使用が一般的になっているにもかかわらず,臨床的な効果の改善が容易でない。未熟児の分娩は,preterm laborを契機として惹起されるが,妊娠23〜30週では早産に到るまでの期間が延びるにつれて,児の予後は毎日向上するといわれる。Preterm laborの10%は24時間以内に分娩しているので,preterm laborの原因が明らかになり,迅速に対応できる治療法の確立が望まれる。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.