今月の臨床 妊娠と免疫
妊娠維持と免疫
8.胎児の免疫能
宮川 幸昭
1
Yukiaki Miyagawa
1
1信州大学医学部小児科
pp.162-165
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900733
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最近の免疫学の進歩は,いままで神秘のベールに包まれていた母子間の免疫応答の仕組みを解明しつつある。胎児免疫能を理解する場合に母親の免疫監視機構を如何にかいくぐって胎児が生存しえるかが最大の課題であり,ついで胎児の発達免疫学が重要な課題である。前者は,我々がその存在を発見し,胎児がその母親の侵入キラーT細胞に向けて産生するIgM抗体であるTLFA1,2,3)および最近我々がその存在を発見した胎児のキラー細胞成分であるT—γδ4)細胞である。前半でその仕組みを総説した後,後半では胎児の発達免疫能を概説する予定である。
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