Japanese
English
骨・関節感染症の治療戦略 Ⅲ.検査・診断
4.新しい手法による診断
αディフェンシン検出キットの使用経験
Diagnosis of septic arthritis using alpha-defensin test
井上 三四郎
1
,
菊池 直士
1
,
小田 竜
1
,
増田 圭吾
1
,
藤井 勇輝
1
,
古川 寛
1
S. Inoue
1
,
N. Kikuchi
1
,
R. Oda
1
,
K. Masuda
1
,
Y. Fujii
1
,
H. Furukawa
1
1県立宮崎病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Miyazaki Prefectural Miyazaki Hospital, Miyazaki
キーワード:
septic arthritis
,
periprosthetic joint infection
,
alpha-defensin test
Keyword:
septic arthritis
,
periprosthetic joint infection
,
alpha-defensin test
pp.94-97
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei81_94
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
αディフェンシン(αD)は病原菌に反応して好中球から放出される抗菌ペプチドであり,人工関節周囲感染(periprosthetic joint infection:PJI)のバイオマーカーとしての有用性が報告されている1~3).関節液中αDを測定する方法として,海外ではイムノアッセイとラテラルフローテストが使用されている1).前者は判定に約24時間を要すが,感度・特異度ともに96%といずれも高い1).一方,後者は20分で結果が出るものの,感度71%,特異度90%と感度がやや低い1).後者は2017年よりSynovasure αディフェンシン検出キット(検出キット)[Zimmer Biomet社,Warsaw]としてわが国でも使用可能となり,国内での報告も散見される4,5).本稿の目的は,当院での検出キットの経験を報告し,使用上の注意点について考察を加えることである.
© Nankodo Co., Ltd., 2022