今月の臨床 今日の癌検診
卵巣癌
23.卵巣癌の細胞診断
柏村 正道
1
,
柏村 賀子
2
Masamichi Kashimura
1
,
Yoshiko Kashimura
2
1産業医科大学産婦人科教室
2九州労災院病産婦人科
pp.700-702
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900457
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卵巣癌の細胞診には,腟細胞診,腹水細胞診,腫瘍捺印細胞診などがあるが,それぞれの細胞診断の目的は異なっている。腟細胞診では,主としてホルモン活性のある卵巣癌の発見を目的としており,その応用範囲は限られているが,最近では通常の上皮性悪性腫瘍においてもエストローゲン活性の上昇が知られており無視できない領域であろう。腹水細胞診または腹腔内洗浄細胞診は,卵巣癌の進行期ひいては予後に大きく関連し,卵巣癌の細胞診の中で最も重要な分野である。腫瘍捺印細胞診は,術中迅速病理診断の代用として応用されているが,その診断には熟練を要し,一般的には行われていない。ここでは代表的な卵巣癌の腹水細胞診における形態的特徴について述べる。
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