症例
卵巣小細胞癌肺型の1例
山本 真一
1
,
齋藤 理
1
,
長船 綾子
1
,
松井 純子
1
,
永井 孝
1
,
山田 千恵
1
,
青木 智英子
1
,
吉田 憲生
2
,
伊藤 誠
3
,
水野 美香
4
1刈谷豊田総合病院産婦人科
2刈谷豊田総合病院内科
3刈谷豊田総合病院病理科
4名古屋大学医学部産婦人科
pp.599-603
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103807
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要約
卵巣の小細胞癌は非常に稀な疾患であり,若年者に多い高カルシウム血症型と,閉経後に好発する肺型に大別され,両者とも予後不良とされる.症例は58歳女性.画像で骨盤内から腹腔内への腫瘍の進展,胸部・腋窩リンパ節転移をみとめ,卵巣癌の臨床進行期IV期と診断.経皮的組織生検を行い,免疫組織化学的検査にて,卵巣小細胞癌肺型の診断を得た.確立した治療法はないが,術前にCarboplatinとEtoposideによる化学療法を行い奏効したため,卵巣癌基本手術を実施,残存腫瘍に対して放射線治療を行い,寛解に至った.今回,集学的治療により生存延長につながったと考えられる卵巣小細胞癌肺型の1例を文献的考察を加え報告する.
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