今月の臨床 更年期障害
更年期の症状をどう把えるか
12.更年期の不正出血
佐藤 恒治
1
Tsuneharu Sato
1
1総合高津中央病院産婦人科
pp.540-542
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900411
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
更年期とは性腺機能からみた成熟期から生殖不能な老年期への移行期であり,その期間のとり方は人によって多少の違いはあるが42〜43歳から55歳ごろと考えられている。この時期には卵巣機能が急速に衰退してゆき無排卵になりプロゲステロンは消失する。その結果エストロゲンに対する抑制が働かなくなり,子宮内膜の過形成と異常出血を来すようになる。このように機能性な不正出血が頻発し,また同時に子宮癌や子宮筋腫の発生し易い時期でもある。従って機能的ならびに器質的原因による出血がもっとも起こり易い時期で,不正出血を主訴とする疾患も多岐にわたる。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.