今月の臨床 更年期障害
更年期とホルモン
11.男性ホルモンのaromatization
本庄 英雄
1
,
北脇 城
1
Hideo Honjo
1
,
Jo Kitawaki
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.538-539
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900410
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閉経後のアンドロゲンとエストロゲン
性成熟期婦人において,エストロゲンはそのほとんどが卵巣で産生される。閉経あるいは卵巣摘出によって血中エストロゲン濃度は低下し,エストラジオール(E2)は10〜20pg/ml,エストロン(E1)は30〜60pg/ml,エストロンサルフェート(E1—S)は数百pg/ml1,2)になる。一方,アンドロゲンの中心である�4—アンドロステンジオン(�4—A)の閉経後の血中濃度は閉経前の1/2〜1/3に減少して男性レベルと同じ約900pg/mlになる。そのうちの2/3が副腎より産生された部分で,残りの1/3が卵巣よりの分泌であると言われている。また,閉経後の血中テストステロン(T)濃度は�4—Aの約1/2であり,その約85%が卵巣から分泌され,血中�4—Aからの転換部分は約15%である。�4—Aの1〜3%およびTのO.4〜0.5%が末梢でそれぞれE1およびE2に転換される。E2のうちE1から転換された部分はその10〜30%にすぎない。
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