今月の臨床 月経とその異常
月経異常—その鑑別と治療
33.早発閉経の病因と治療
宮川 勇生
1
,
楢原 久司
1
Isao Miyakawa
1
,
Hisashi Narahara
1
1大分医科大学産科婦人科学教室
pp.472-474
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900393
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若くして閉経する病態を早発卵巣不全,または早発閉経と呼ぶ。二つの診断名は全く同じ病態を表現しているわけではないが,ほぼ同意語として用いられている。これまで早発閉経の定義については明確ではなく,最近,日本産科婦人科学会の用語委員会(1990年)から「早発閉経は43歳未満で閉経が起きたもの」との見解が示されるまでは,一般に35歳あるいは40歳以前に月経が停止してしまう早発卵巣不全の呼称であった。言い換えると,続発無月経で,内分泌学的にはhypergo—nadotropinism,hypoestrinismで表現される。早発閉経は病態の複雑さから,多くの未解決の問題を残しているが,特に臨床面では挙児を希望する若い女性における治療である。
ここでは,早発閉経の病因および治療を中心に述べる。
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