Japanese
English
手術・手技・麻酔
腰痛に対する腟式子宮旁結合織瘢痕切断術及びその術後成績
Vaginal cutting of parametrial scars and its results in lumbago
杉本 修
1
Osamu Sugimoto
1
1北条病院産婦人科
pp.447-449
発行日 1961年5月10日
Published Date 1961/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202430
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Ⅰ.序論
婦人科領域における腰痛,下腹痛,肩凝り,頸部痛,ノボセ感,冷え症,帯下などの一連の症状は,子宮旁結合織特に仙骨子宮靱帯の病変に関係ありとする考えはSchultze (1875)に端を発し,今日に至るまで原因論的に,或いは病理学的,解剖学的見地より論議され,夫々の見解より様々な呼称が提唱されており,九嶋1)によればその数は60を越えるという。しかしてこれら原因の如何によらず,症状が持続し慢性化してくると,仙骨子宮靱帯の持続性攣縮の終末として,うつ血,浮腫,細胞浸潤,次いでは平滑筋の萎縮,結合織の増生が起こり,当靱帯は次第に瘢痕化し短縮してくる。
このような症例に対しては保存的には瘢痕の吸収を促進させる様々な方法が試みられているが2),中にはこれら姑息的療法によつても症状を緩解させ得ない場合が生じてくる。このような例に対して残された唯一の方法は手術療法であり,Frankel3)(1917)以来色々な方式が考案されているが,本邦に於いても伴2)(1956)が腹式瘢痕切断術に子宮位置矯正術を併用する方法を推賞し,私も同法を追試してその効果の優れたものであることを確認し,その成績の一部は既に発表した4)。
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