今月の臨床 高年婦人科—更年期から老年期へ
疫学と統計
2.高年婦人の疾病統計
対木 章
1
,
佐藤 信二
1
,
矢嶋 聰
1
Akira Tsuiki
1
,
Shinji Sato
1
,
Akira Yajima
1
1東北大学医学部産科婦人科
pp.904-906
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900952
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我が国は平均寿命の延長により,欧米諸国にも類をみない速度で高齢化社会を迎えている。出生率の低下も重なり,産婦人科領域においても高齢婦人に対する医療が重要な分野となってきた,高齢者では加齢に伴う退行性変化により,臓器,組織の生理的機能および予備能力の低下が認められるほか,外部環境への適応能力の低下による精神神経疾患も増加する。さらに女性では閉経期を境に卵巣機能の低下が起こり,こうした内分泌学的変化が自律神経系や骨,脂質などの代謝系に大きな影響を及ぼしている。これらの状態を理解し,加齢による産婦人科疾患の推移を十分みきわめ,日常の診療に対応する必要があろう。本稿では,高年婦人の疾病として,悪性腫瘍,骨粗鬆症,精神神経疾患を取り上げ,その疾病統計について述べる。
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