FOCUS 自律神経温存広汎子宮全摘出術①
子宮頸がんの根治手術
金内 優典
1
,
加藤 達矢
2
,
半田 康
1
,
小舘 英明
1
,
星 信哉
1
,
渡利 英道
3
,
櫻木 範明
1,3
1小樽市立病院女性医療センター
2KKR札幌医療センター
3北海道大学医学部産婦人科
pp.842-846
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211337
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▶要旨
根治手術(curative surgery)とは,悪性腫瘍をその周囲組織にがん細胞が存在しないように切除することであり,これにより局所制御が得られる.radicalityとは手術が根治的(curative)であるために必要な周囲組織の切除範囲のことである.子宮頸がんに対する神経温存広汎子宮全摘出術が根治手術となるためには,がんの深達度,基靱帯浸潤,腟浸潤,神経周囲進展などを考慮した術式でなければならない.顕微鏡的な子宮傍組織・腟傍組織浸潤リスクがある症例に対して,神経温存のために子宮傍組織・腟傍組織を削るような手術は避けなければならない.腫瘍細胞が神経鞘に浸潤する所見が神経周囲浸潤(perineural invasion : PNI)であり,神経に沿って臓器外へ進展していくことが神経周囲進展(perineural spread)である.PNIは,進行期,深達度,子宮体部浸潤,腟浸潤,リンパ管侵襲,子宮傍組織浸潤,リンパ節転移などとの関連が報告されている.
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