FOCUS 自律神経温存広汎子宮全摘出術③
神経温存広汎子宮全摘出術の適応基準と自律神経への進展・浸潤リスク
金内 優典
1
,
加藤 達矢
2
,
半田 康
1
,
小舘 英明
1
,
星 信哉
1
,
渡利 英道
3
,
櫻木 範明
1,3
1小樽市立病院女性医療センター
2KKR札幌医療センター
3北海道大学医学部産婦人科
pp.1047-1051
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211373
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
個々の患者の意思やがんの特性を考慮し,術者と病院の診療経験に基づいた最適な手術治療を提供するprecision surgeryの時代が到来しつつある.precision medicineとは,患者の遺伝的背景,環境要因,ライフスタイルなどを考慮しつつ,個々の患者に最適な予防や治療を行うことである.がんの生物学的特性(がんの悪性度)の評価,卵巣機能や膀胱機能への配慮,術後後遺症の予防,新しい治療薬の開発は,子宮頸がんの手術治療へのprecision medicineの応用である1).腫瘍の進展度や悪性度の正確な術前評価,および術中の臓器や組織の正確な剝離と分離,切除すべき組織の範囲(radicality)の決定などが子宮頸がんのprecision surgeryの中心である.precision surgeryとして自律神経温存広汎子宮全摘出術を選択する際には,熟練した内診所見,MRIやCTなどの画像所見による局所深達度の評価が重要であり,それによる自律神経温存側の決定が必要となる.本稿ではそれら所見について述べる.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.