原著
腹式単純子宮全摘を再現した単孔式腹腔鏡下単純子宮全摘
下地 彩
1
,
宗 万紀子
1
,
家村 洋子
1
,
水津 愛
1
,
岩見 州一郎
1
1京都桂病院産婦人科
pp.1030-1034
発行日 2023年10月10日
Published Date 2023/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211079
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▶要旨
目的 : 近年,腹腔鏡下単純子宮全摘時に子宮動脈本幹の処理を行う傾向にある.一方で腹式単純子宮全摘を行う際には一般的に子宮動脈本幹・尿管は露出しない.当院では腹式手術を再現した腹腔鏡下単純子宮全摘を導入した.そして,より低侵襲性を求め単孔式を施行している.当院での手術方法の紹介を交え,考察する.
手術方法 : ①膀胱を尾側に下げる,②子宮を頭側に押し上げる,③内子宮口より頭側で子宮動静脈上行枝を切断する,④子宮に沿って基靱帯を切断する.
結果 : 2019年10月〜2022年7月に施行した94例を対象とし,後方視的に検討した.平均手術時間は単孔式137分・多孔式173分.平均出血量は,単孔式52.2g・多孔式95.8g.単孔式完遂率は90.2%.尿管に関する合併症はなし.
考察 : 腹式子宮全摘を再現した手術成績を提示した.症例を選択すれば,単孔式でも多孔式に劣らない手術が可能であり,より低侵襲で整容性に優れる.巨大子宮に対しては単孔式で優れる点もある.今後より症例数を増やし検討を重ねたい.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.