症例
ベバシズマブを含む多剤併用化学療法が奏効した進行子宮頸部神経内分泌癌の1例
齋藤 有沙
1
,
小宮山 慎一
1
,
長島 克
1
,
谷口 智子
1
,
片倉 雅文
1
,
早田 英二郎
1
,
定本 聡太
2
,
森田 峰人
1
1東邦大学医療センター大森病院産婦人科
2東邦大学医療センター大森病院病理診断科
pp.797-802
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210470
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▶要旨
子宮頸部神経内分泌癌は稀な腫瘍であるが,急速に進展することに加え,有効な治療法が確立されていないことから,きわめて予後不良である.われわれは遠隔転移を伴う子宮頸部神経内分泌癌に対し,パクリタキセル+シスプラチン+ベバシズマブ併用化学療法(TP+BEV療法)が奏効した症例を経験した.患者は40歳,2妊2産.9か月前に当院で経腟正常分娩により生児を得た.右臀部痛および浮腫を主訴に当院を再診,多発肺転移および多発肝転移を伴う子宮頸部神経内分泌癌ⅣB期と診断された.TP+BEV療法を施行したところ,原発巣,転移巣はいずれも著明に縮小した.化学療法8サイクル施行後に腹式筋膜外単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行し,病理組織学的奏効を確認した.術後も同併用療法を継続しており,治療開始後10か月現在,無増悪生存を維持している.
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