今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因
産科合併症
妊娠中の身体活動は早産や分娩方法に影響するか?
髙見 美緒
1
,
土田 暁子
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.469-474
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210061
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●妊娠中の適度な運動は,母体の健康維持・増進につながる.ACOGガイドラインでは,運動禁忌ではない妊婦は,中等度の運動(例えばエアロビクス)を1日あたり30分間かそれ以上,ほぼ毎日行うことを推奨している.
●エコチル調査のデータを基にした検討では,妊娠前の身体活動は早産や分娩方法に影響を及ぼさなかった.一方で妊娠中の身体活動量が低下すると,早産および帝王切開や器械分娩のリスクがわずかに上昇した.
●運動する習慣がない女性でも,妊娠判明した後から運動習慣を見直すことはよい機会である.妊娠中に適度に体を動かすと,早産および帝王切開や器械分娩のリスクが下がる可能性がある.7.5〜15Mets・時/週の身体活動量が推奨される.
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