症例
小細胞神経内分泌癌と胃型粘液性癌が合併した混合型子宮頸癌の1例
尾谷 功
1
,
矢本 希夫
2
,
松川 仁登美
1
,
小林 智子
1
,
竹中 由夏
1
,
谷本 敏
1
1和歌山労災病院産婦人科
2和歌山労災病院女性診療科
pp.297-301
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209931
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▶要約
子宮頸部原発の小細胞神経内分泌癌は,本邦では子宮頸がん全体の1.6%に過ぎない稀な疾患である.2017年度の子宮頸癌取扱い規約 病理編の改定により,従来の小細胞癌は小細胞神経内分泌癌に相当すると考えられる.今回,小細胞神経内分泌癌と悪性度の高い粘液性癌である胃型粘液性癌が合併した混合型子宮頸癌の1例を経験した.
症例は46歳,女性,2妊2産.2週間前から持続する不正性器出血にて当科初診.子宮頸部にカリフラワー状の腫瘤性病変を認め,生検にて粘液性癌の診断.内診,画像,病理所見より子宮頸癌1B1期の診断にて手術療法施行となった.術後病理組織と免疫組織化学により,小細胞神経内分泌癌と胃型粘液性癌が合併した非常に稀な子宮頸癌の診断に至った.術後追加治療として同時化学放射線療法を施行.術後3年経過の現在,明らかな再発は認めていない.
今回,本邦さらに海外でも報告のないきわめて稀な混合型子宮頸癌を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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