連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
妊娠中に自然気胸を繰り返し,家族歴からBHD症候群が疑われた1例
藤原 葉一郎
1,2
,
坪内 万祐子
1,2
,
田中 伸岳
3
1京都市立病院産婦人科
2京都市立病院遺伝診療部
3京都市立病院呼吸器外科
pp.1248-1252
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209878
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はじめに
自然気胸の発生は,男性に比較して女性には少ないとされ,加えて自然気胸の原因とされている気腫性囊胞の破綻は副腎皮質機能の低下が関与していることから,副腎皮質機能の亢進した状態である妊娠中は,その発症は少ないとされている1).今回われわれは,24歳時に気胸歴があり,28歳で妊娠が判明した時点で2回目の気胸を発症,その後,妊娠中に複数回の気胸を認め,頻回の入院,脱気を必要とし,その家族歴から遺伝性疾患であるBirt-Hogg-Dubé(BHD)症候群が強く疑われた症例を経験したので報告する.
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