連載 フレーズにピンときたら,このパターン! 鑑別診断に使えるカード・13
「耳鳴」「好酸球増加」「家族歴を認める気胸」
長野 広之
1
1京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野
pp.158-165
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227403
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総論
耳鳴とは「外部からの音の入力がないのにも関わらず音が鳴っているように感じること」です.病態はさまざまですが,多くは耳からの不十分もしくは異常入力に対する中枢神経の反応です.そのため幻肢痛のように聴神経を切除後も耳鳴りが続く場合があります.音が実際に鳴っていない主観的耳鳴がほとんどで,血管雑音などが聞こえる客観的耳鳴は1%以下とされます.鑑別は非常に多く,表1に示します1).
以上のような鑑別を踏まえたうえで筆者が耳鳴の鑑別に行っている問診や診察は以下の通りです.
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