今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤
Part2 : 注目の最新技術
【腫瘍】
新規腫瘍マーカーHE4とROMAによる卵巣がん診断
永石 匡司
1,2
1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野
2日本大学病院産婦人科
pp.1235-1241
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209876
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●卵巣がん診断の補助として保険収載された新規腫瘍マーカーHE4は卵巣がん患者で高値を示し,なかでも進行がんでより高値となる.
●HE4は月経周期や妊娠などの影響を受けづらく,子宮内膜症との鑑別にも有効である.CA125と比べて感度は低いが特異度は高い.
●CA125とHE4の組み合わせにより卵巣がんの診断能は向上する.特に卵巣悪性腫瘍推定値ROMAが有用で,これはFDAにも承認され,国内でも薬事承認を受けている.
●HE4やROMAは,特に進展が急速な高異型度漿液性癌の診断に有効であるが,非漿液性癌ではやや劣る傾向にある.
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