増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅴ.がん
卵巣・卵管がんマーカーCA125
古屋 充子
1
Furuya Mitsuko
1
1横浜市立大学医学研究科分子病理学
キーワード:
MUC16
,
体腔上皮
,
中皮
,
SEA(sperm,enterokinase,agrin)ドメイン
,
CA125
Keyword:
MUC16
,
体腔上皮
,
中皮
,
SEA(sperm,enterokinase,agrin)ドメイン
,
CA125
pp.462-463
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200518
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CA125はMUC16と同義の1回膜貫通型ムチンで,抗原決定基は細胞外ドメインのコアタンパク質に存在する。細胞膜近傍で切断され遊離したものは血清値として測定される。細胞外ドメインは高度にグリコシル化され,生化学構造はいまだ解明しきれていない。コアタンパク質は2-5×106Daで,N末端,タンデムリピート,C末端の三つのドメインに大別される。CA125はがん細胞同士や腹膜中皮との接着,免疫細胞とのクロストークなどに関与する。健常な結膜,気道上皮などに分布するほか,羊水や授乳液中にも分泌される。主に腫瘍マーカーとして利用されているが,CA125を標的とした治療薬開発も進んでいる。
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