今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで
手術手技のポイントと留意点
—コラム—内視鏡下巨大筋腫核出の限界と筋腫回収法
土屋 雄彦
1
,
森田 峰人
1
1東邦大学医療センター大森病院産婦人科
pp.1008-1011
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209833
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近年,わが国では晩婚化・晩産化に伴い,妊孕能の温存が必要な子宮筋腫患者は増加傾向にあり,子宮の温存が可能な子宮筋腫核出術,さらに美容的に優れた腹腔鏡下子宮筋腫核出術を希望する患者は多く認められる.しかし,術者にとっては,トロカーという限られた部位からしか鉗子の挿入ができず,開腹術と同等の完遂度を目指すには難易度の高い手術である.文献的にも10cmを越えるような子宮筋腫の場合には出血量が増加すると報告されており1),ACOGの勧告では5〜8cmを越えるような子宮筋腫,多発性の子宮筋腫の場合には,開腹術もしくは腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術を推奨している2).しかし,医療機器の進歩や手術技術の向上により,巨大子宮筋腫に対しても腹腔鏡下手術が可能となりつつある.本稿では当院で行っている腹腔鏡下手術の方法・留意点について述べる.
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