増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル
Ⅲ.産科編
妊産褥婦の合併疾患への対処法
内分泌・自己免疫疾患
SLEの増悪
城戸 咲
1
,
加藤 聖子
1
1九州大学医学部婦人科産科学教室
pp.318-323
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209702
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当直医へのコール
◉血圧上昇 : SLE合併妊娠は妊娠高血圧症候群(妊娠高血圧・妊娠高血圧腎症)の合併頻度が高い1〜5).また,SLEの増悪でも血圧上昇をきたすことがあるため,鑑別が必要である.
◉腹痛 : SLE合併妊娠は早産率が高く,自然早産も多い1〜5).腹痛の訴えがある場合は,必ず子宮収縮の有無と内診所見を確認する.
◉悪心・嘔吐 : 妊娠初期の悪心・嘔吐は妊娠悪阻と判断しがちだが,背景にSLEの増悪が存在する場合がある.症状の強さや期間に注目し,血液検査所見でも鑑別する必要がある.
◉その他の非特異的症状 : SLEの臨床症状は多彩で全身性に出現しうる.感冒症状,呼吸苦,動悸,神経症状などの非特異的な症状からSLEの増悪と診断されることもある.非特異的で軽微な症状であっても,それが持続・増悪する場合は必ず内科主治医の診察を受けるよう患者に説明する.
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