今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方
救急
婦人科救急疾患を見逃さないためのポイント─卵巣腫瘍茎捻転・卵巣出血・PIDなど
中井 豪
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1大阪医科大学放射線医学教室
pp.871-880
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209482
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●筋腫赤色変性の診断にはMRIが有用である.発症後間もなく摘出されるとその割面は赤色だが,長時間経過して摘出されると,その割面はもはや赤色ではない.
●異所性妊娠の多くは卵管であり,異所性の胎囊のMRI所見を理解する必要がある.卵管間質部妊娠は変性筋腫に似ることがあるので注意が必要である.
●付属器腫瘤の捻転では捻じれて浮腫をきたした卵管が軟部影として腫瘤近傍に認められ,捻転側への子宮の変位を伴うことが多い.付属器腫瘤の破裂では緊満感の消失と囊胞壁の肥厚,内容液流出による腹水が認められる.
●PID(pelvic inflammatory disease)の画像所見は卵管肥厚,腹膜炎を示唆する所見,腹水などがみられ,なかでも卵管肥厚は特徴的所見である.進行すると卵管留膿腫,tubo-ovarian abscess(TOA)が生じる.
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