連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
子宮頸がんに対する初回CCRT後にバゾプレシン分泌過剰症を発症した1例
坂本 優香
1
,
三輪 照美
1
,
中村 康彦
1
1山口県立総合医療センター産婦人科
pp.1200-1206
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209215
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症例
▶患者
65歳,2経妊2経産,身長155.0cm,体重39.0kg.
▶主訴
不正性器出血.
▶既往歴
特記すべきことなし.
▶現病歴
不正性器出血を主訴に近医産婦人科を受診し,腟鏡診にて子宮頸がんの疑いで前医に紹介となった.前医では,内診にて右側子宮傍組織浸潤を認め,病理検査にて子宮腟部細胞診 : SCC,組織診 : squamous cell carcinomaを得て,子宮頸部扁平上皮癌(臨床進行期分類ⅡB)と診断された.血中腫瘍マーカー(SCC)値は2.4ng/mLであった.治療方法を決めるに当たって施行したMRI検査にて腫瘍径は43mmで膀胱壁浸潤が疑われ(図1),FDG-PET/CTにて右外腸骨リンパ節への転移を認めたため(図2),同時化学放射線療法(CCRT)目的に当院を紹介受診となった.
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