今月の臨床 胎児発育不全(FGR)の管理Up To Date
原因別にみた管理の実際
臍帯・胎盤要因
臍帯異常によるFGRの評価
仲村 将光
1
,
大場 智洋
1
,
関沢 明彦
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座
pp.945-950
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208878
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●胎児発育不全(FGR)の原因 : ①胎児の染色体異常や形態異常といった遺伝学的要因,②妊娠高血圧症候群のような絨毛が形成される時期のトラブルによる胎盤の発育不全や機能不全,③胎児─臍帯─胎盤系の循環障害をきたす臍帯の構造異常に伴う臍帯血管内の血栓塞栓症による胎盤梗塞のような後天的要因に分類される.
●胎児─臍帯─胎盤系の循環障害 : 臍帯の構造異常(付着部異常,捻転異常,巻絡,単一臍帯動脈,細い臍帯)の存在により臍帯血管内における血流うっ滞によって易血栓性となり,それが胎盤および胎児の各臓器に梗塞を起こすことによって胎児の発育および出生後の発達に影響すると考えられる.
●胎児─臍帯─胎盤系の易血栓性に伴う児の予後 : 血流うっ滞によって胎児血管内に微小血栓が生じ,それらによって中枢神経系に塞栓症が起きると長期神経学的に予後不良となる.
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