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6.生殖補助医療
Q6 rescue ICSIで良好胚を獲得するコツを教えてください
中山 貴弘
1
1足立病院生殖内分泌医療センター
pp.283-284
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208734
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A 【適応症例の設定】rescue ICSIの施行意義そのものが常に議論されているところであり,実際の方法よりも,診療においてどのように同法を取り入れていくのか,各施設における基準作りがまず大切です.ポイントとしては,①取り入れるか全く行わないか,②全例を対象とするか適応症例を限定するか,③適応とする受精率の設定(0%,30%,50%など),④split ICSIとどう使い分けるか,などが挙げられます.
【実際の方法】媒精6時間後(最短で5時間後,最長で7時間後)に卵丘細胞を除去し,倒立顕微鏡を用いて200倍の倍率で受精兆候の有無を観察します.この際,誤判定を予防するために卵丘細胞は残さず,すべて除去します.受精兆候の指標としては第二極体放出,fertilization cone出現,cytoplasmic flareの出現,早期に形成される前核,細胞質内の紡錘体の確認などがあり1),できるだけ多くの指標を組み合わせて多方向より胚を観察し判定することが大切です.判断に迷うようであれば1時間後に再判定を行い,最終的に未受精と評価された卵子にICSIを施行します.得られた胚の発生は内膜の日齢と同期していると考えてよく,採卵周期に移植が可能です.
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