予防と臨床のはざまで
Rescue 311の取り組み
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.571
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102173
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3月末に突然,山形大学の同級生で,現在群馬県で小児科医をしている椎原隆先生から電話がかかってきました.「ボランティア医療従事者による,被災者向けメール医療相談」のプロジェクトに関わらないか,というお誘いでした.3.11の震災直後から,ツイッターやmixiなどで個別に医療相談を受け付けている医師はいました.しかし多くのボランティア医療従事者がチームとなって,被災地から比較的簡単にアクセスできるメールでの医療相談を受けるサービスは,当時まだありませんでした.チームに内科医が少ないということで,「少しでも自分にできることを……」と思い引き受けました.こうして3月末に10人の発起人の医師が集まり,Rescue 311(http://www.311er.jp/)の取り組みはこぢんまりと始まりました.
しかし,その後たった2週間で協力してくれる医師,医療従事者は180人を超えました.そのスピードに驚きましたが,「何か力になりたい,でも様々な理由でなかなか現地に行けない」という医師,医療従事者は多かったと思います.そんな人たちの思いが一気に集まったかのようでした.今や内科や小児科にとどまらず,外科,産婦人科,精神科,脳外科,耳鼻科,眼科,皮膚科,整形外科,リハビリ科,形成外科,麻酔科,歯科・口腔外科の先生方が,多忙な日常業務の中,協力して下さっています(4月24日現在).
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