原著
前核期胚評価分類による良好分割胚の予測
菊池 信正
1
,
関根 敏弘
2
,
上条 隆典
2
,
伊藤 理廣
2
,
峯岸 敬
2
1館林厚生病院産婦人科
2群馬大学医学部産科婦人科学教室
pp.733-737
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100936
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●はじめに
体外受精は培養技術や培養環境の改善に伴いその成績が向上してきたが,近年,その成績は頭打ちになってきている1~2).移植胚数を複数戻さないと妊娠率が維持できない状態であり,多胎などの産科合併症を引き起こす一因ともなっている.妊娠成立のためには,クオリティーの良好な胚を選択することが着床率,妊娠率向上の重要な因子と考えられる.良好胚の厳選が可能であれば,移植胚数を減数し多胎を予防するうえからも役立つと考えられる.しかしながら胚のクオリティーを機能的に評価する方法は困難であり,形態学的に評価し移植胚を選択する方法が一般的である.
近年,分割胚以前の前核期胚の形態評価による胚選別法が注目されており,中でも前核と極体の位置関係からの新しい胚評価方法が提唱されている3).この前核と極体の位置関係が初期胚の形態評価分類であるVeeck分類とどの程度相関するかを検討したので報告する.
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