今月の臨床 不妊女性に対する手術療法─適応・タイミングと手技のコツ
重度子宮内膜症
明樂 重夫
1
1日本医科大学産婦人科
pp.198-204
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208615
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●子宮内膜症stageIII,IV期のような重度患者においては妊孕能が低下するので,自然妊娠を期待するのであれば,腹腔鏡手術をまず選択する.
●ARTを前提とした場合,卵巣予備能悪化の懸念から4cm以下のチョコレート囊胞はまずIVF-ETを先行させる.
●悪性の可能性が否定できないとき,疼痛が強い場合,癒着などで採卵困難な場合,囊胞破裂や感染のリスクが予想される場合などには,手術療法が優先される.
●手術は囊胞摘出術が原則であるが,術後卵巣予備能は多少なりとも低下することが多い.両側性のものや再手術症例,術前AMH低値例などでは,内容吸引・囊胞壁焼灼術も考慮する.
●実際の手術では卵巣に対する愛護的手技を徹底し,囊胞剝離面へのバイポーラ使用は最小限となるよう丁寧な手術を心掛ける.
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