病気のはなし
子宮内膜症
伊藤 史子
1
,
片渕 秀隆
1
1熊本大学大学院生命科学研究部・産科婦人科学
pp.592-597
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103575
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
サマリー
子宮内膜症(内膜症)は,生殖年齢女性の約1割が罹患している婦人科領域の代表的な良性疾患の一つである.子宮内膜に類似する組織が子宮以外で発育し増殖するが,その発生や進展については不明な点が多い.月経痛や慢性骨盤痛,排便痛,不妊などの多岐にわたる病態を引き起こし,quality of lifeの低下を招く.診断には問診と内診所見が重要となる.治療は薬物療法と手術療法に大別されるが,患者背景や臨床症状などを考慮したうえで決定される.しかし,治療中や治療後に症状の増悪や再燃がみられ,また長期に存在する病巣から卵巣癌に代表される悪性化が生じるため,その管理には注意を要する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.