連載 FOCUS
卵巣がん治療におけるベバシズマブのメリット・デメリット─現状・限界と,将来の展望
竹内 聡
1
,
杉山 徹
1
1岩手医科大学産婦人科
pp.1098-1103
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208554
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
VEGF(vascular endotherial growth factor)は,VEGF-A,B,C,D,Eの5つのisoformが存在するが,血管内皮細胞のVEGF受容体1(VEGFR1),受容体2(R2),受容体3(R3)を介し,血管内皮細胞の増殖・遊走に関与する.これらのうち,最も作用の大きいVEGF-Aは,VEGFR1,R2に作用し,卵巣がんにおいても血管新生の主たる機能を担う(表1).この,VEGF-Aのヒト化モノクローナル抗体がベバシズマブ(B-mab)であり,VEGF-Aと免疫複合体を形成し,VEGFを中和し血管新生を抑制する(図1).
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.