特集 高感度ホルモン測定法と臨床応用
高感度hCG測定法の臨床応用
丸尾 猛
1
,
望月 眞人
1
Takeshi Maruo
1
,
Matsuto Mochizuki
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.945-951
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208085
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トロホブラストが産生,分泌するhuman chorionic gonadotropin (hCG)は,妊娠早期診断や絨毛性疾患管理に不可欠なマーカーである。しかしhCGのアミノ酸構造は下垂体から分泌されるIuteinizing hormone (LH)のそれと極めて類似しているため,従来,低単位hCGの測定に際してはLHの免疫学的交差を除外することが困難であった。
ところが近年,LHには存在しないβ—subunit-carboxyl terminal peptide (hCGβ—CTP)と特異的に反応する抗hCGβ—CTP抗体の作成により,微量hCGの絶対特異的測定が可能となり,低単位hCG値はいわゆる「下垂体性LHレベル」という不明確な概念で論ずることが無用となった1)。すでに抗hCGβ—CTP抗体を用いたサンドイッチ法Enzyme Immunoassay (EIA)キットが市販され,その超高感度(0.2mIU/ml)という特徴から絨毛性疾患管理に威力を発揮している。しかし,その操作法はかなり煩雑で,発色測定にspectrometerを要し,結果判定に長時間を要することが難点となっている。
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